2016年12月23日金曜日

ナプロキセンテスト

不明熱についての最近のレビューでもナプロキセンテストについての記載がある。実際やってみたことがないしあまり聞かないなということで、調べてみた。
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・ナプロキセンテストとは?不明熱に対して7日間以上Naproxenを使用すると、感染性の発熱であれば反応が得られないが、悪性腫瘍での発熱であれば、24時間以内に解熱傾向となる。
1984年にChangらが発表(Am J Med. 1984 Apr;76(4):597-603)。しかしこのstudyでは悪性腫瘍があることがわかっている患者に対して、naproxenを使用すると、悪性腫瘍の発熱であったら解熱し、感染症を合併したことによる発熱であれば解熱しない、というもの。

VanderchuerenらはNaproxen Testの診断的意義を疑問視している(Am J Med. 2003 Nov;115(7):572-5)38.3℃以上の発熱が2週間以上持続する免疫正常の患者に対して、NaproxenIndomethacinibuprofenFUO精査中に処方された患者を対象とした。どのNSAIDSを処方するか、投与期間、用量については処方医の裁量とした。37.2℃以下に解熱したか1.1℃以上解熱したものを効果ありと判断した。290人の患者のうち、77人が対象になった。Naproxen Testの感度は55%、特異度は62%であった。ただし、この研究の限界としてはNaproxen Testを行うかどうかは患者の裁量によるところがあげられる。また、NSAIDSの種類がさまざまであることも限界であるが、著者らは、実質的には影響しないのではないかと判断している。


Naproxen Testの診断的意義は現在ではcontroversialである(Wien Klin Wochenschr. 2016 Nov;128(21-22):796-801)が、腫瘍の患者の発熱においてNaproxenの使用が役立ったとする報告は散見される。