2015年10月20日火曜日

敗血症性ショック


記念すべき1回目。今回の論文は
 Septic Shck; Advances in Diagnosis and Treatment.   
 JAMA;2015:314(7):708-717


septic shockについて、たまたまcritical careとJAMAの両方でreviewを見つけた。
JAMAが読みやすかったのでお先に読んでみた。

このblogの趣旨は後日に記載するが、
あくまで論文を読んでアンダーラインをしようと思った箇所を
ノートに書いた、というだけである。多少の間違いはあるかもしれず、原文を参照してほしい。

以下論文より
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non-cardiacのshockとして最も多いのがseptic shockである。
septic shockの死亡率は依然として高く5-10%である。
septic shockの core diagnostic element=感染があるまたは疑われ、低血圧と組織低潅流がある。
 ・組織低潅流…乏尿、意識障害、末梢循環不全、高Lactate
 ・しかし、低血圧を呈さないshockもありうる。ベッドサイドでshockを診断する基準はない。


invasive hemodynamic monitoring
・EGDTはもはや否定的
・CVP…重症患者では必ずしも補液の反応性を反映しない
・MAP(mean arterial pressure)
・ScvO2
・PACの留置については右室不全や重度のARDSを伴うケースに限るべきである


non invasive hemodynamic monitoring
・身体所見やCXp…insensitiveかつunreliable
・focused ultrasoundgraphy…心収縮能、心嚢水、IVC径などを明らかにできる。血行動態、ショックの原因検索に役立つ。
・leg raise maneuver
・pulse contour analysis


markers of tissue injury
・serum lactate level…広く使われてはいるが、ショックの診断やモニタリングの意義については不明な点も多い。


Areas of Uncertainty in the Diagnosis and Treatment of Spetic Shock
診断)
・状況毎によるショックの定義が明確でない;SBP、latate、適切な補液、についてprehospital care、救急外来、ICUで明確な基準がない。
・cryptic shockの定義がない;血圧正常で高Lactateは組織定款流を示しているかもしれないけども、疫学やアウトカムについてがほとんど明らかになっていない
・biologic phenotypes of shick
治療)
・補液の選択とタイミング;アルブミンと晶質液の組み合わせがメタアナリシスでは優れているようだけれども、ショック早期でのRCTで直接比較はされていない
・血行動態最適化のターゲット
・補液を減らすタイミング

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EGDTが広まったことで敗血症の治療は大きく変わったという。
ただ、今後も変わるのだろう。動向に注目、だ。
エコーは確かにモノにしておきたい。