2016年1月1日金曜日

Autopsy in Palliative Care

緩和ケア病棟と剖検について。日本の文献も探したが、メディカルオンラインで引っかかったのが学会発表の抄録のみであった。看護研究でありそうだけどなと思いながらも、楽に探せるPubMedで検索。The Potential Use of Autopsy for Continuous Quality Improvement in Hospice and Palliative Care.Medscape J Med. 2008; 10(12): 289のごく一部のみ。さらなる他の文献の読み込みが必要そうだが、とりあえずの公開。
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緩和ケア領域での剖検について、関係者からのインタビューをまとめたものではいくつかの問題点が浮かび上がった。
①剖検は疑問に答えないかもしれない
 剖検によって、死が早すぎたかを明らかにすることや、死が訪れるかということを知りえたかという疑問を明らかにすることはできない。だが、家族が死が早すぎたと信じるのは、それが実際に早かったからというよりはむしろ、死が差し迫っていることを医療従事者は知っていたのに十分な準備ができなかったから、であると考えられている
②剖検の結果は、quality of careのプロセスやケアの改善に体系的には用いられない
 一般化するだけのデータがない。また診断のエラーがあった場合、たいてい診断の間違いは患者がホスピスに来る前に起きていて、剖検で新しい診断の情報が得られたところで前医と立ち向かうことはしたがらない、
③費用
 支払いに見合うだけの価値があるのか “bang for the buck”。ホスピスの患者の最大の関心毎は、死まで尊厳をもって扱われたかということで、この答えは剖検によっては得られない
④意図しない結果を招くかもしれない
 剖検は家族に平穏をもたらさないし、自然な悲しみの反応を遅れさせるかもしれない
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