2017年4月25日火曜日

ASOとADB~溶連菌感染の血清学的診断~

溶連菌の診断といえばASOとASKしか思いつきませんでしたが、測定すべきはASO(抗ストレプトリジンO抗体)とADB(抗デオキシリボヌクレアーゼB抗体)です。本当は溶連菌感染後糸球体腎炎について勉強したのですが、ASOとADBについての部分のみ掲載します。今回の参考文献はEur J Clin Microbiol Infect Dis.2015;34:845-9.です。
------------------------------------------------------------------------------------------
Kinetics
ASOは感染から1週間後に上昇し、3-5週間後にピーク、6週間後から減少しはじめる。
 感染前の値に低下するのは約8か月である。
ADBは、6-8週間後にピーク、12週後から減少しはじめる。感染前の値に低下するのは約12か月である。
・小児ではASOADBとも感染前の値に低下するまで1年以上かかることも多いとされている。
Disease specifity
ASOは、皮膚感染よりも咽頭感染の場合により上昇する。よって、ASO単独の測定では、先行感染が皮膚感染であった場合に見落とす可能性がある。
Sensitivity and specifity
・真の溶連菌性咽頭炎の患者であっても20%の患者はASOが上昇しないことが示唆されている。
■年齢
ASOADBの抗体価は年齢によって異なっているので、カットオフに注意が必要である。
■診断
ASOADBともに急性期と回復期で2倍以上の変化で解釈する。
1回のみの抗体価で解釈する場合、リウマチ熱やAPSGNは通常最初の感染から2-3週間後に発症するため、ASOADKの動態から言って、診察時に最も抗体価が上昇していることが確認される

・リウマチ熱やAPSGNを疑ったがASOADBともに陰性のときは、溶連菌感染であることは否定的である。

0 件のコメント:

コメントを投稿