2年前にお世話になったup to date大好きな先輩が「一度だけ副鼻腔炎見たことあるけど鼻汁がやっぱりすごかった」と話していた。自分で経験したことはないが、見落としてないかな。
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急性上気道炎の成人において、約90%がウイルス性急性副鼻腔炎を合併しているけれども、急性細菌性副鼻腔炎へ至るのは0.5-2.0%である。
■起因菌:急性細菌性副鼻腔炎の原因として多いのは、Streptococcus penumoniae, Haemophilus influenzae,
Moraxella catarrhalis, Staphylococcus aureusである。
■Natural
History:85%の患者が抗生剤治療なしで7-15日間以内に症状は改善あるいは治癒する。しかし、約90%の患者に抗生剤が処方されている。
■Diagnosis
・まずウイルス性の急性上気道炎と細菌性副鼻腔炎を区別する。急性副鼻腔炎の患者では、通常の上気道炎より鼻腔症状が目立つ。膿性の鼻漏、鼻閉、顔面痛、など。
・ウイルス性上気道炎は通常すみやかにピークに達し、3日目までに改善傾向、1週間で改善する。25%の患者はそれ以上続くけれども改善はする。
・一方で、細菌性副鼻腔炎は改善がないまま10日間およびそれ以上持続し、一度改善した後に再増悪するパターンがみられる。
・色のついた鼻汁だけを根拠に抗生剤投与を開始してはいけない。色のついた鼻汁は副鼻腔感染を予測しない。(positive likelihood ratio = 1.5; negative likelihoodratio
= 0.5).
■治療
・症状の出現から10日間まではwatchful waitingが許容される。
・使用するなら第一選択はAMPC。CVAはどちらでもいい。レスピラトリーキノロンは第一選択にしない。
・症状の緩和として、鎮痛薬、点鼻ステロイド、生食鼻洗浄を用いる。うっ血除去薬、抗ヒスタミン薬については症状の改善についてのエビデンスは乏しい(抗ヒスタミン薬は鼻粘膜を過度に乾燥させることでうっ血を悪化させる可能性がある)
cf.N
Engl J Med 2016;375:962-70. Am Fam Physician. 2016;94(2):97-105.